この度、廿日市の宮島に近い場所にクリニックを開設させていただく事になりました。私は大竹市に生まれ、中高を西広島の学校で過ごし、そして高校卒業後はずっと九州で学び、生活しました。あるころより、故郷が恋しくなり、広島へ帰ってまいりました。この度故郷に近いこの地で開院できました事は大変幸運に感じます。
昨今、医学は急速に進歩しており、疾患の概念、治療などは日々刻刻として変化しております。全ての疾患について最新の治療を行う事は簡単ではありません。しかし、一人一人の患者様にとってその症状に対し、最適な治療が出来ますよう、日々鍛錬を重ねてまいりたいと思っております。
これまで総合病院で働き、眼の症状ではあるけれど、そこに検査などから得られた所見より頭蓋内疾患の関与、あるいは他の全身疾患の関与について、その場で血液検査、頭部MRIなどをすぐに行い、命に係わる疾患を見つけ、治療できる病院へ紹介し助ける事が出来た事が何度かあります。今回、クリニック故、今までのように即時的に診断する事はやや難しくなるかもしれません。
しかし、近隣に他科のクリニックが多数あり、連携しながら治療していきたいと考えております。これまでと同じく中枢疾患、および全身疾患の関与が疑われる場合は、すぐに検査をし、危険な疾患を見逃す事なく、診断していこうと考えております。また、総合病院では眼外傷に出くわす事も多々ありました。外傷性視神経症、眼窩骨骨折、外傷性外眼筋麻痺など多数の症例を診ました。治療の緊急性の判断などはその後の予後に関わる重要な事だと考えます。必要があれば、すぐに治療が出来る施設への紹介をこころがけたいと存じます。
さらに重症の糖尿病網膜症、黄斑浮腫、血管閉塞疾患などやはり総合病院ならではの疾患と接する事が多く、今後もある程度の疾患は自分で対処できるようにしていきたいと考えております。また今回、スタッフ研修を通じて、集まってくれたスタッフ一人一人が真面目で、非常に仕事に対し真摯な態度であり、かつ穏やかな性格の人ばかりである事も分かり、本当に感謝しております。このスタッフとチーム一丸となって患者様に信頼されるクリニックを作っていきたいと熱意を新たにしました。
最後になりましたが、今回このクリニックを提案頂きました横山理事長は広島のみならず、中四国で有名な硝子体サージャンです。私は呉医療センターでの勤務時代、横山理事長には何度も助けていただき、大変尊敬しております。その横山理事長より分院のお話を頂きました時は、大変光栄に思い、感謝しました。今回このように恵まれた環境に感謝しつつ、最大限の努力を惜しまず、診療にまい進する所存です。
地域の皆様には、何卒よろしくお願い申し上げます。